ゴッサマー構造まわりのちょっとしたこと

こんばんは。宮崎です。膜やケーブル、柔軟なブームなどから成る、いわゆるゴッサマー構造は、「軽量で収納性・展開性に優れているので、大型宇宙構造に向いている」、あるいは、「超小型衛星から比較的大型のものを展開したい場合にも適している」と言われます。確かにその通りなのですが、例えば、ちょっとしたことでどこかが引っかかって展開しなかったり、膜に貼付した太陽電池等のデバイスが大きく振動してしまったり、展開した後に衛星本体の姿勢・軌道運動との連成が比較的大きめになるなど、うれしくないことも多々あります。

それはそれで、問題が起こらないように設計・開発すればいいのですが、「ちょっと計算して確認しましょう」ということが多くなりがちです。例えば、展開機構のちょっとした展開マージンの計算などは、やろうと思えばだれでもできるのでしょうが、「誰かがやってくれるなら、任せたい」ことの一つかなという気がします。

また、左図のような、三本のブームと薄膜太陽電池が貼付された三角形膜から成る太陽電池パネル(SAP)の一つの頂点を衛星に固定した場合に、ある運用モードでの衛星の姿勢を、SAPの変形を考慮して解析してください」と言われれば、SAPの構造担当者が自己並行内力による変形状態を出して、自己平衡状態まわりの振動モードや結合係数・有効質量を出して、考慮すべきモードを決めて、衛星の姿勢担当者が拘束モード法か何かで解析することになるでしょう。これなども、「自分がやってもいいけど、誰かがやってくれるのであれば、任せたい」ことの一つかもしれません。

cosmobloomは、基本的にはゴッサマー構造の展開解析アプリをSaaSとして提供したり、解析・設計を請け負ったりする企業ですが、上記のような、ちょっとコスパが悪くて「誰かがやってくれるといいんだけどな」と思うようなことも請け負っていきながら、経験を積みつつ信用を得ていければ、と考えています。

宮崎 康行