SaaSで用いられるコンテナ技術について

こんにちは、cosmobloom 小野です。

本日はSaaSで用いられるコンテナ技術についてお話ししたいと思います.

前回は,SaaSとマイクロサービスアーキテクチャの相性についてお話ししました.このマイクロサービスアーキテクチャはアプリケーションの作り方の1つで,小さなアプリケーションを組み合わせることで,提供する機能の拡張性や可用性を高められる作り方でした.この拡張性や可用性を高める性質を与えてくれるのが,本日お話しするコンテナ技術です.

コンテナ技術とはアプリケーションとその依存関係を1つにして隔離する技術のことで,アプリケーションとその依存関係のまとまりをコンテナと呼びます.コンテナにはアプリケーションを動かすために必要なものがすべて揃っているため,コンテナが起動できれば,あらゆる環境で一貫した動作が実現できます.

コンテナは仮想マシンと大きく異なり,ハードウェアレベルでの隔離がなく,独立したOSを持ちません.コンテナ技術の場合はOSレベルでの隔離を行うため,非常に軽量で効率的な処理で隔離が可能になります.この軽量で効率的な処理がコンテナ技術の大きな強みになります.一貫した動作と軽量さはアプリケーションの起動と廃棄を容易にし,迅速なスケールアップやスケールダウンを可能にします.マイクロサービスアーキテクチャの拡張性が高いのはこのためです.

また,コンテナのスケールアップやスケールダウンを実行する技術としてオーケストレーション技術があります.このオーケストレーション技術は,アプリケーションの負荷に応じて,起動しているコンテナ数を管理する技術です.オーケストレーション技術を用いれば,スケールアップやスケールダウンを自動化でき,負荷に対して柔軟な対応ができます.

さらに,サービスを提供するコンテナ数はオーケストレーション技術によって常に管理され,障害が発生したとしても,そのコンテナを廃棄して新しいコンテナを起動することが可能です.このような仕組みによって常にコンテナの数を一定に保つことができます.

以上のように,コンテナ技術とオーケストレーション技術を組み合わせることで,拡張性と可用性の高いアプリケーションを構築できます.これらは非常に強力な技術であり,顧客の要望や利用状況が絶えず変化するSaaSという事業領域において不可欠な技術となっています.

これまでの数週間でSaaS,マイクロサービスアーキテクチャ,コンテナ技術それぞれの概要をお話してきました.次回からはアプリケーションの作り方などをお話ししようかと思います.

それでは来週の日曜日にまたお会いしましょう。


小野 弘幸

CEO

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