未来の宇宙構造物をどのように構築するか

こんにちは,cosmobloomエンジニアの折居です.

宇宙空間にISSの様な大型宇宙構造物が構築されるようになってから,50年が経ちます.近年ではポストISSの取り組みや,月面インフラ構築の取り組みが盛んになり,宇宙構造物の構築技術が加速度的に成熟すると考えられます.今回は,この様な将来型の宇宙構造物をどのように構築するか,という方法論について考えてみたいと思います.

三浦公亮先生の『地上の構造・宇宙の構造』という論文に倣えば,「地上の構造物」と「宇宙構造物」の大きな違いは,前提を「1G」とするか,「0G」とするか,であると言えます.例えば,地上の構造物は石積みや骨組み,女性のスカートに至るまで,重力および重力傾斜を積極的に利用しています.一方,宇宙構造物は,重力および重力傾斜の影響を受けないため,重力環境に囚われない,新しい構造概念が成立する可能性があります.

このときに問題となるのは,宇宙構造物を設計する我々の「発想」そのものが重力環境に囚われてしまっていると言うことです.ものづくりにおいてノウハウやセンスを発揮することは極めて重要ですが,我々は無意識に「上から下に1Gが作用する」ことを受け入れていているので,ノウハウやセンスも宇宙構造物を相手に発揮しずらいところがあります.

また,地上で無重力を再現する方法として,航空機や落下塔によって微小重力環境を作り出すことが可能ですが,どれも瞬時的に微小重力を作り出すことが精いっぱいであり,ノウハウやセンスを養う様な用途では使用しにくいと考えます.

このように,無重力環境においてノウハウ・センスを発揮しながらものづくりをするということはできていませんでしたが,例えば,仮想空間に無重力環境を再現し,視覚,触覚デバイスを通じて介入することにより,あたかも無重力環境に居るかのような状況で,ものづくりを模擬することができるようになると思います.すると,無重力空間におけるものづくりのノウハウを蓄積し,センスを磨くことができるようになると考えます.

cosmobloom

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