「膜構造」と「板構造」の間にある構造様式:その①

こんにちは,cosmobloomエンジニアの折居です.

一般に,大型の宇宙構造物は,①ロケットによる輸送を前提とする,②大面積によって高性能を実現することから,①②を成立させるために収納性と軽量性が必要不可欠となります.

このとき,膜構造は質量がスケールの1から2乗にしか比例せず,収納性と軽量性の要求を満たすことから,大型宇宙構造物を用いた様々なミッションへの活用が検討されてきました.

一方,単に収納・展開すること以上の価値,例えば,高精度に展張して平面アンテナの支持構造とする場合などは,従来の要求に加えて,アンテナ素子をより堅固に拘束するという要求が加わります.

これまでの平面アンテナの構造様式は,板構造にアンテナ素子を配置して展開するものがほとんどです.板構造は曲げ剛性を有するため,膜構造に比べて堅固にアンテナ素子を拘束することができます.一方,板構造によって達成できる軽量性と収納性には限界があり,私たちとしてはここに革新的な構造様式を提案できれば,と考えているところです.

例えば,Nathan A. Pehrsonらは,収納性と軽量性および展開後の剛性を両立する構造様式として,self stiffeningとよばれる構造様式を提案しています.これは,ケーブルとZig-Zagのコア材を利用して,展開を敢えて「途中で止める」ことにより,剛性を維持するユニークな構造様式です.

self stiffeningの様な構造要素は,まさに「膜構造」と「板構造」の間にある構造様式と言えます.次回は,このself stiffeningについてもう少し具体的に考えてみます.

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