柔軟構造の運動解析モデル作成を自動化する

こんにちは、cosmobloom の小野です。

久々の投稿ですね。最近では解析のお仕事や会社の資金繰りについて考えることが多く大変ですが、少しずつ成長していると思うと、なんだかよくわからないですが楽しくなってきますよね。

さて、今日は柔軟構造の運動解析モデル作成を自動化する、という題材でお話ししたいと思います。

運動解析に限った話ではないのですが、一般的な有限要素法がベースとなっているCAEソフトでは、解析の準備として、3DモデルをCADソフトでモデリングしてメッシュを切る、という作業を行います。当たり前ですが、市販のCAEソフトでは、3Dモデルを取り込み、メッシュを生成、解析を行う、というこの3つの流れをシームレスに自動で行うことができます。

実はcosmobloomの解析技術も有限要素法がベースなので、基本的な流れは既存のものと同じで、3Dモデリング、メッシュ生成、解析という流れです。異なる点は、メッシュを生成する際に自動メッシュを利用していない、という点です。というのも、メッシュ生成ツールで生成される解析データは要素分割数が細かすぎたり要素の形状が歪な形になるなど運動解析にとってうれしくないことが多いからです。

例として、大きな長方形の板に対してボルトの頭みたいな小さな突起物がある場合を考えてみます。このとき、小さな突起物が大きな板の運動に与える影響は非常に小さいため、運動解析を行う場合はきれいな平面として近似することが多いです。ですが、CAEソフトの自動メッシュを実行すると、その小さな突起物を含んでしまうので、要素が歪んでしまうことはなくとも局所的に細かい要素データができてしまいます。このようなことが発生してしまうと、ほとんど解析結果に影響しない部分を計算することとなり、ただ単に解析時間が長くなるだけという悲しい事になってしまいます。なので、運動解析を行う場合は「簡素化されつつもその構造の特徴を捉えたモデル」という運動解析専用のモデルを作る必要があります。

問題が3Dモデルの形状のみなら、3D CADで簡単なモデルを作ることでメッシュ生成ツールを利用できるかもしれません。ですが、cosmobloomが取り扱う柔軟構造の運動解析で既存のメッシュ生成ツールでは取り扱っていない特殊な要素データなどが含まれており、メッシュ生成ツールではどうしてもカバーできない領域が発生してしまいます。このようなことから、運動解析モデルを作る際に既存のメッシュ生成ツールが使えず、自分たちでメッシュデータを作るという作業を行っています。

この手作業でのメッシュ生成がなかなか苦しく、時間がかかり非効率であるため、特殊な要素も含めて自動でメッシュを生成できる仕組みを構築するべく作業を進めています。この問題を解決できれば、メッシュ生成の大幅な効率化が図れ、運動解析を静解析と同程度の頻度で行えるようになります。また、運動解析が簡単にできるようになれば、コンピューター上で多くのトライ&エラーを繰り返すことができるため、実機による試験コストを大幅に減らすことが可能になると考えています。

まずは、プロトタイプを構築し自社で問題なく利用できること、そして、品質/ユーザビリティを確保するというプロセスを経てプロダクトを構築したいと思っています。このような過程を通すことで、多くなユーザにcosmobloomの運動解析技術を提供することができると思っています。

現在cosmobloomでは宇宙分野に限らず柔軟構造物に関する様々なご相談を受け付けております。お悩みやお困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせフォームをご利用ください。

それではまたお会いしましょう。

小野 弘幸

CTO

次の記事

人材育成