想像力・想定力

こんにちは。cosmobloom(CB)の宮崎です。

展開構造物に限らず、宇宙機のちょっと厄介なところは、実際に動作しているところを見たり、手を差し伸べたりすることができないことです。常に自撮りができたり、常にロボットアームで遠隔操作するようなことができればいいですし、もしかしたら、近い将来は、それがふつうにできるようにあなっているかもしれませんが、少なくとも、現時点では、いつもカメラで動画を撮影してダウンリンクし続けるのは難しいですし、例えば何かを展開するときだけ撮影することですら、いろいろ制約がありますし、人がロボットアームを遠隔操作して展開を補助したりするなんてことも難しいかと思います。

だからこそ、宇宙機は、基本的には人を介さずに自律的に運用することを前提に設計されるわけですが、そうなると、宇宙で何が起きるのか(正確には、宇宙機を地上で作り始めてから、運用終了までの間に何が起きるのか)を「想像」する必要がでてきます。そして、その想像をもとに、ミッションが成功するよう、いろいろなことを「想定」して設計する必要があります。

もちろん、完璧に想像して完璧に想定することは、かなり難しいと思います。初めてのミッションの場合は特にそうなのではないかと思いますし、ある程度、経験がものを言う部分が多い気がします。ただ、それでも、論理的に考える力があって、何かしらの設計・開発・運用の経験があれば、宇宙機自体の設計・開発・運用の経験がそれほどなくても、必要な「想像」ができる気がしています。

さらに、繊細にものごとを考える力や何事も面倒がらずにやる力があれば、ちょっとしたことをスルーせずに、想定すべきことを想定でき、かつ、無駄な想定をせずに物事を進めていけるのではないかなと思います。

その意味で、技術力だけでなく、想像力・想定力がキーになるのだろうと思っていまして、自分自身を磨くことも必要ですし、例えば、宇宙人材を育成するような機会があれば、これらをキーワードにしてやってみたいなあと思う今日この頃です。

p.s. 左上の写真には特に意味はないです(一昨日、都内で打ち合わせをした際、きれいな庭があったので、ちょっと撮ってみた写真です)。

宮崎 康行

cosmobloom

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