大田ものづくり学 2025

こんにちは、cosmobloom 代表取締役の福永です。

6月26日に、日本工学院専門学校の機械設計科にて1時間ほどお話をさせていただきました。大田ものづくり企業経営者・匠による特別講義シリーズの「大田ものづくり学 2025」という授業の枠にてお時間をいただいたのですが、誰かの役に立てば…という気持ちの反面、誰かの役に立つのか…?とかなり疑心暗鬼な気持ちで挑みました。というのも、私は経営者としても技術者としてもかなり半人前ですし、一回りも離れた学生の皆さんとは価値観も異なる部分も多いでしょうし、学生時代の自分を思い出せば大人が話す時間に価値をあまり見出せなかったこともあり、いかに迷惑にならずに1時間やりきれるかが目標でした。

この年齢になるまであまり気にしたことはなかったのですが、女性で私のような経歴はめずらしいようで、学校で教員をされている方々から、女子学生に向けてお話をとご依頼いただくことが時々あります。少し上の世代の女性の方だと、女性であるがゆえに厳しい環境に置かれた経験をお持ちの方も多いようですが、ありがたいことに、性別のせいでキャリアで苦しんだこともなく、「女性だから」という目線で何かを語れないのが私です。もしかしたら、このこと自体が将来を不安に思う女子学生の皆さんに対して、多少の安心感を与えられる事実だったのかもしれないと、今更ながらに思っています。

この講義の中では、企業の経緯や、研究室時代の研究、今行っている事業のコア技術、将来目指していること、などをお話させていただきました。宇宙の中でも構造系は人材が少ないと認識をしているため、ここにいる中の1人でも将来の進路の選択肢にしてもらえたら有難い限りだと思いましたが、それの答え合わせはまた数年後にできるでしょう。宇宙と一言で言っても様々な領域がありますし、普通に生活をしているだけでは知らない分野を取り扱っているのがcosmobloomだと思っているので、若い世代の方に知っていただく機会をいただけたことに大変感謝をしております。

私は現役学生の時に、いわゆる最後の質問コーナー的な時間に手をあげるのが苦手なタイプだったのですが、先生方の援護もありつつ、想像以上に質問をいただきました。進路についての質問も多かったです。毎回のことではあるのですが、結局は本人の価値観次第だという何とも歯切れの悪い(私的には歯切れがいいのですが)回答をしてしまい、先生方の求めていたことはきっとそういう答えではないのだろうなと理解はしておりましたが、事後レポートを見ると数人の学生さんにはよかったと思っていただけたようなので、少し救われました。

正直言って模範的な学生ではなかった私が、次の世代に向けて何かを語ること自体、なんとおこがましいことなのだろうと思っています。一方で、ご依頼いただけるということは、そこに少しでも価値があると思ってくださる方がいるわけなので、1人でも2人でも誰かのためになればと、基本的にお受けしております。このような機会に、学生の皆さんから前向きな質問をいただいたり、事後レポートで感想をいただけることは私自身にとっても力になります。まだ未熟で、間違えることもありますが、せめて恥じない人間でいれるようにと背筋を伸ばすことができました。

改めて、日本工学院専門学校 機械設計科の皆様に感謝を申し上げます。


福永 桃子

CIO

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