便りが無いのは良い便り?

こんばんは。cosmobloom(CB)の技術顧問の宮崎です。2か月以上、ブログが更新されていないので、ちょっと書かせていただくことにしました。
「便りが無いのは良い便り」、ではないですが、「ブログが更新されていないのは、充実した2か月を過ごしていたってことなんです」、と言いたいところですが、この2か月のCBはどうだったかと言いますと・・・
CEOの福永さんを中心にいろいろな企業さんや投資家の方々とお話しを進める中、太陽工業株式会社様から出資を受け手共同研究開発を始めたり、スタッフ株式会社様と膜面アンテナの共同開発を始めたり、Small Satellite Conference(SSC)に福永、折居、宮崎の3名が参加したり、競争的資金に応募したり、科学大の中条研と共同開発している超小型ソーラーセイルPIERISのセイル構造部のBBMの展開試験をしたりと、それなりにいろいろあり、うまくいったこともあれば、うまくいかなくて次は頑張ろう、ってこともあったりと、なかなか賑やかな?2か月だったかなと思います。もうひと踏ん張りすると、地に足を着けて歩ける感じになるのかなあと。
個人的には、ここのところ、上記のBBM展開試験も含め、ソーラーセイルについて考える時間が多く、「どうやって、しわのない、ピンと張った膜を展張できるか?」という、古くからある課題を久しぶりに考えているところです。

例えば、左上の図のように四角形の膜の四隅をブームで引っ張ると、どうしてもしわが寄ってしまいます。しわがよらないようにピンと張るためには、左の図のように、4辺を円弧状に切り欠いて、切り欠いたエッジに高剛性な細いケーブルを接着しないといけないことが理論的にわかっています。
しかし、ものすごく薄い膜のエッジを曲線にして、細いケーブルを曲線に沿って膜にくっつけるのは、かなり大変な手作業になってしまいますし、結構、大きな張力をケーブルにかけないといけないなどの課題があって、現実的には、「エッジは左上図のように直線にしつつ、膜をそれなりにピンと張る」という問題を解きたい、ということになります。
大昔(24年前くらい)、サバティカルでコロラド大に1年ちょっと滞在していたことがあったのですが、そのときに、上記の問題に近いことを先方の先生のリクエストでやっていて、理論式を立てたり、プログラムをつくったりしたことがありました。今回、そのことをふっと思い出して、「現実的な解」を久しぶりに考えてみようかなと思っているところです。
宮崎 康行