SSPS実現への道?
こんにちは.cosmobloomの宮崎です.
将来の宇宙構造物として研究されているものの中で巨大なものというと、宇宙太陽光発電システム(Space Solar Power System、SSPS)が思い浮かびます。
今日もSORAEの記事が上がっていましたが、最近、米国や中国、英国が力を入れてきていて、じゃあ、1980年代(私が学生の頃)には既に研究がおこなわれていて、今も研究が続けられている日本はどうする?、という状況なのかなと思います。
また、宇宙、特に、地球の上空に数kmにもおよぶ薄型の構造物をつくるのは、技術的にもコスト的にも政治的にも当然、極めて難しく、お金の無駄遣い?的な気もしないでもなかったですが、これだけ地球環境問題やエネルギー問題が叫ばれ、核融合までが注目されるようになってきた現在、SSPSにも目が向けられるようになってきたのかなという気もします。
でも、実際、どうなんでしょうか?本当に実現できるのでしょうか? また、仮に実現できたとして、そのとき、みんながハッピーになる状況になるのでしょうか?
となると、「じゃあ、どう進めていけば実現までたどり着けるのか?また、どうすれば多くの人々が幸せになれるのか?」と考えたくなるのが人間の性?なわけでして、最近、ふと、宇宙に浮かぶSSPSを想像しながら考えることがあります。
cosmobloomでは膜面を自己展開トラスで展開する平面状の軽量な構造物(SDMT)を推しており、SDMTを基本構造とするモジュール型の構造物が大型化に適していると提唱していますが、さすがに、SSPSのクラスになると、モジュール型のSDMTですら重い、という感もあり、トラスのような重い部材(といっても、ふつうに考えると十分、軽いんですが)を使わずにできないのだろうか?、と思ってしまいます。
ちょっと話は飛びますが、日本がスピン展開型のソーラーセイルIの研究を進めてKAROSで実証したのは、海外が進めているようなブームを伸展させて膜を拡げるタイプのソーラーセイルは大型化が難しいと考えた(当時の宇宙科学研究所の名取道弘先生がおっしゃった)からです。この考え方は、多分、正しくて、SSPSのような超巨大な構造物の実現を目指して研究・開発をするとなると、結構、まじめに考えないと、それこそ、お金の無駄遣いになると思います。ですので、いろんな人たちと一緒に考えていければなあと思う、今日この頃です。
宮崎 康行