強度設計

こんばんは.cosmobloomの中村です.

衛星や衛星に搭載されるコンポーネントを設計・開発する際,「打ち上げの加速度や振動で故障しないか」ということは,当然ながら衛星を打ち上げる前に確認が必要であり,事前に解析や試験を行ってそれを確認することになります(強度設計と言います).

衛星や搭載コンポーネントにかかる荷重はかなりのもので,現在研究室で開発中のコンポーネントに関していえば,想定される荷重は100~150Gに及び.これに耐えられるような設計が求められます.戦闘機やジェットコースターに乗っているときの荷重は3~5G程度だそうで,その値からも相当な負荷がモノにかかることが想像できると思います.

強度設計を考える上で,もう一つ大事な要素が固有振動数です.固有振動数とは物体固有の振動数であり,機械の世界では共振を避けるために特に重要になります.共振により機械に大きな振動が起きると壊れる可能性があるからです.宇宙機に関しては,ロケット側から固有振動数は○○Hz以上にすること,といった要求が出されるためそれを満たす必要があることに加え,打ち上げ時の振動荷重に関しても,通常は固有振動数が大きいほど荷重が減る傾向にあるので,なるべくこの固有振動数を上げるように設計をしていくのが普通だと思います.

この固有振動数を上げるということに関して,大きくは2つの手段があります.一つはモノの剛性を上げること,もう一つは質量を減らすことです.一つ目の剛性を上げるということに関しては,部材を厚く・太くしたり,支え(リブ)を入れたり,さらに強い材料に変更するといった対処がなされます.また,2つ目の質量を減らすということに関しては,部材を薄く・細くしたり,軽い材料に変更するといった対処が考えられます.しかし,こういった対処を行うと普通は剛性や強度が下がるので,それらのバランスを取りながら固有振動数をあげていくことになり,強度設計では苦労するポイントになります.

宇宙機の設計においては,ロケットによる打ち上げの制約から軽量化が強く要求されるため,モノの形状や組み方を工夫して剛性を上げたり,解析により振動の様子を観察して変形が大きい箇所をちょっと固定したり,軽くて強い材料(CFRPやスーパーエンプラ)を使ったり,適切に肉抜きすることにより軽量化したりということがなされていると思います.ここでは,打ち上げ時の荷重に耐えるという観点にのみフォーカスしていますが,展開構造においては展開時の荷重や展開後の軌道上での荷重にも耐えうる必要があり,別途解析や設計,対処が必要です.簡単に書いていますが,あらゆる問題を考慮してこれらに適切に対処していくことはそれなりの経験を要すると思いますので,私も日々勉強しつつ経験を積み上げていきたいと思っています(こういった適切な対処を自動でやってくれるような夢のソフトウェアをcosmobloomで作りたいです).

CTO

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