「ものづくり」の楽しさと苦しさ

こんにちは,cosmobloomエンジニアの折居です.
今日は趣味の話をしたいと思います.このブログの読者の皆さんは,研究,プロジェクト,企業活動など,関わり方こそ違えど「ものづくり」に携っている方が多く,中には,大変価値のある取り組みを任され,今が人生の踏ん張りどころである,という方も多いのではないでしょうか.
「ものづくり」と向きあう生活は楽しくも苦しいもので,「頭ではわかっているのに,体が言うことを聞かない」という局面が必ず訪れるわけですが,そんなとき,気晴らしに映画を見たりすると,まさにその映画の中に「ものをつくる」ことの本懐を再発見することがあります.
今回は,自分の苦しかったときにたまたま視聴して,心が動いた「ものづくり」に関する映画を3つご紹介しようと思います.※心が苦しかったときの感想であり,今見ると全然違うことを感じるかもしれません,あしからず.
1つめの映画は『ハケンアニメ!』です.この映画は,疲れ切った深夜に,近くのインターネットカフェで見ました.この映画には,「好き」だけでは居続けられない現実を目の前にして,なお進み続けるために必要な「信念」が表現されてると思います.また,「好きをつらぬけ」というキャッチコピーも,当時の自分には心動かされるものがありました.主人公が最も苦手としていた人物が,最後の最後までそばにいてくれたことにも,強い意味が込められているように感じました.
2つめの映画は『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』です.この映画は,宿泊したホテルで書きものの合間に見ました.この映画の冒頭は,主人公が月火水木金土日と働いたのに仕事が全く終わらず,オフィスで目を覚ますという絶望的なシーンから始まります.このシーンは思わず笑ってしまいました.タイトルからも分かるようにコメディ映画ではあるのですが,自分を見失ったときこそ,まわりに居る人たちに何をしてあげられるかが重要なのだ,というメッセージが通底して在るような気がして,どこか自分事のような視座で見てしまいました.
3つめの映画は『ルックバック』です.この映画は,藤本タツキ先生の長編読み切り漫画をアニメーション映画に仕立てたもので,映画館に見に行きました.この映画には,本当に大事なものを失ってなお,何かに取り組み続けること,人生を引き受けて生きていくことの凄みが描かれていると思います.特に,映画の最後で主人公が机に向き合うシーンにはこの映画の全てが現わされていて,大変感動的です.
以上,心が苦しいときに出会った映画3つをご紹介しました.映画には,初めから終わりまでの数時間,それだけに没頭せざるを得ないという不自由さがありますが,この不自由さは,この現代社会において替えの利かない価値を提供していると思います.映画を見る数時間,人は自分の立場を離れて,他人の人生を追体験したり,俯瞰して人生を見つめ直したり,色々なことを考えます.映画を見るということは,数時間の間だけしがらみを脱して,本懐を捉えるための視座を手に入れる,ということなのかもしれないですね.
また明日から頑張っていきましょう.